英国:財政赤字、急拡大 国債利回り高騰
【ロンドン会川晴之】英国の財政赤字が急拡大している。金融危機対策の歳出増に加え、景気低迷による税収減に歯止めがかからず、増税などで黒字が見込まれた1月の財政収支も43億ポンド(約6000億円)の赤字と1月として最大の赤字を記録。これを懸念して、長期金利の指標である10年物英国債の利回りが高騰し、巨額の財政赤字を抱えるスペインやイタリアの金利水準を上回る事態に陥った。
英国で1月は所得税や法人税を納める時期のため、通常は財政黒字となり、09年1月は52億ポンドの黒字だった。しかも10年1月から付加価値税(日本の消費税に相当)の税率を引き上げたため、市場は黒字を予想していた。
だが、所得税や法人税の落ち込みが大きく、10年1月の歳入は前年同月比7.7%減。歳出も、経営が悪化した金融機関の救済や景気刺激策の実施などで増加が続き、1月は同9.7%増だった。
09年度の累計赤字額は、09年12月末時点で1181億ポンドに上っていたが、黒字が見込まれた10年1月まで赤字に転落し、市場では、09年度末の財政赤字の国内総生産(GDP)比率が、政府予想の12.6%を上回ると予測。深刻な財政危機に直面しているギリシャの12.7%を上回る可能性が高まっている。
このため、市場では英国債を売る動きが広がって、英国債10年物の利回りは上昇(価格は下落)を続け、19日には4.276%と、イタリアの4.081%、スペインの4.041%を上回った。ギリシャ(6.446%)よりは低いが、財政不安が英国に本格的に波及すれば、世界経済にも悪影響を与える。
毎日新聞 2010年2月20日 21時06分
http://mainichi.jp/select/biz/news/20100221k0000m02005900...